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真言宗のお寺で出家得度して尼となり、修行を続けながらの自分自身の心の成長を綴っています。

かんのんいんブログ

決心


父が実家を去り、
母がまた一人になると、
私は不吉な夢を見始めるようになりました。

夢の中で、
実家の隣家の伯父の家に潜入した私は、
暗く灯りのない、不気味な雰囲気満載の伯父の家に、
怖いと感じながらも引き寄せられ、
家の中に上がり込んでいきました。

扉を開けると、
伯父は古く汚れた床の上に直に横たわっていて、
暗闇の中から、
『この床下に六千万隠してあるんだ。
誰にも言うなよ。』
と、天井をじっと見つめたまま私に言いました。

夢の中で、
伯父は自分の妻にも子供たちにも、
誰にも内緒で自分だけのお金を貯め込んでいるのだと知った私は、
そんな秘密を知ってしまい、伯父に殺されるのだと思いました。

『伯父さん、誰にも言わないから見逃して』

と私は言い、
夢の中で、お金の上に横たわっている伯父をあとに、
震える思いで後退りして、退散したのです。

また別の日には、
夢の中でどうしても、
今度は本家の、母の一番上の兄の家に迷い込んでしまい、
昼間起きている時には一切思い出さない伯父達の家に、
夜になると通い詰めるようになりました。

また、自宅のマンションの管理人が、
うちを訪ねてくる夢も見ました。

管理人さんがうちにやってきて、

「お隣さんの様子がまた悪くなってきていて、
ご実家のお母様に向かって、
悪口を言い始めているんです。
気になさらなければそれで良いのですが、
お母様に向かって言っているのが気になって…
お母様のこと、気をつけてあげて頂きたいんです」

と言うのです。

お隣さんというのは、
以前、ベランダに立ってうちに罵詈雑言を吐き散らしてきた方の、
自宅の隣家の奥さんのことで、
うちの隣人が、車で20分離れた先の実家の母に向かって、
悪口を吐いているというのは物理的にあり得ない話なのですが、
そこは夢で、
私は管理人さんに「わかりました」と答え、
厄介なことにならなければいいのだけどと思ったのでした。

そんな夢ばかりを立て続けに見た私は、
ざわざわと、漠然とした不安な気持ちが、
夢から覚めて現実に返る度に、煽られていくのでした。

同じ頃、
自宅のマンションに住む、
自閉症を患っている住人が頻繁に騒ぎを起こし始め、
早朝や深夜に、自宅のチャイムを鳴らし、
大声で喚きながら廊下を走るという事態が起こりました。

深夜に突然、
玄関のインターホンのチャイムが鳴り、
怒鳴り声が廊下から響き、驚いて目を覚ますと、
隣で寝ていた娘も目を覚まし、
「最近荒れてるね」と呟きました。

「実は夢見も悪くてさ…
本当はそろそろ、バーバのことが気になってるんだ」

と私が言うと、

「なんでいっつもうちのことと連動してんの?
本当に気味悪い」

と娘が答えました。

全く不思議なのですが、
母が騒ぎを起こす直前に、
まるで、母に連絡をしなさいという警告のように、
私の生活圏で必ず何らかの騒ぎが巻き起こるのです。

翌日、私は母に電話をかけました。

お正月に顔を合わせてから、
二ヶ月が過ぎていて、
それまで私は母を放置し続けていたのです。

電話に出た母の声はとても暗く、
そして怒りに満ちていて、
「またあいつが家に上がり込んできて、
家の中のものを勝手に盗んで行ったのよ!」
と言いました。

あいつというのは隣家の伯父のことで、
伯父が庭から「お前んちの合鍵持ってるんだからな!」と叫び、
それから毎日実家に勝手に上がり込んできて、
ものを盗んでいっているのだというのです。

このタイミングで電話をかけて本当によかったと思いました。

「ずっと我慢してるんだけど、
我慢できなくなってきて、言い返してやろうかと思っていたの」

と母は言いました。

「でも、言い返さないで我慢してたのよ、毎日」

と母が言うのを聞き、
夢に出てきた管理人さんは、
私の守護霊の仮の姿だったのだと確信したのです。

その翌日、
気分転換になるようにと、
母にうちまで遊びに来てもらうことにしました。

これまでのように、
私が実家に出向いて、
あの家で母の愚痴を聞くよりも、
自宅に招いたほうが、気味の悪さが半減していることに気付きました。

実家で母の愚痴や怒りを聞いていると、
たくさんの目が周りを取り囲み、
そしてたくさんの耳が、私と母の話を聞いているような、
何とも気味の悪い空気でいっぱいになるのです。

母は「あの家を引っ越したい」と言いました。

「でも引っ越すのが怖いの」とも言いました。

実家は、母の両親が母に分け与えてくれた、
母にとっては『母親の子宮』なのだと思いました。

隣家の伯父と、
母親の子宮の奪い合いを続けている母にとって、
「引っ越す」というのは、
六十代後半に突入した母が、
自分の母親から自立をすることに繋がっているのです。

「最後は自分で決めることだよ、
決心するのは自分だから」

と母に答えた私は、

私の人生は私のものであり、
母に振り回されるのはやめようという気持ちを、
固く決心したのでした。


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プロフィール

瑠史

Author:瑠史
十一面観音をお祀りして、自宅でかんのんいんを開いています。

第三子を妊娠中に出家得度して尼となり、OSHO禅タロットを使った個人セッションを受け付けています。過去から未来までを見通し、人生を変えたい方のお手伝いを致します。

ホームページを開設しました。メール相談、布小物販売など、こちらからどうぞ。

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