真言宗のお寺で出家得度して尼となり、修行を続けながらの自分自身の心の成長を綴っています。

かんのんいんブログ


母のお腹に最初の赤ちゃんができた時、
母は19歳でした。

北海道の父方の両親に反対をされて、
札幌の病院でそのまま中絶手術を受けたのだと、
繰り返し語る母は、

自分の両親に中絶するように言われたとは、
一度も話したことがないのです。

母と距離を置く日々の中で、
私はふとそのことに違和感を覚えました。

『最初の赤ちゃんのことで、
随分とお父さんに怒っているみたいなのですが、
そんなに、お父さんが悪いわけでもなさそうなのですが』

と、水子供養の日に師匠が言ったひと言も浮かびました。

『本当は自分の父親を恨んでるんだ』

と私は、
今更ながらに母の本心に気付いたのです。

「お父ちゃんは私を可愛がった、
お父ちゃんには可愛がられた思い出しかない」

と繰り返し、ただそればかりを言い続ける母は、
自分にそう言い聞かせ、
自分に嘘をつき続けていたのです。

『とすると、私の激しい長年の父親への恨みは、
半分以上、母親の想念だったのかもしれない』

と私は思いつきました。

19歳で、最初の赤ん坊を中絶させられた母は、
両親への恨みを直ちに心の奥底に隠し、
恨みの対象を自分の夫にすり替え、

私はその複雑な『戦争』に巻き込まれながら、
厄介な子供時代を過ごしたのです。


母の恨みがここまで悪化し、
心の病にまで冒されたのには、

実家の隣家に住む伯父夫婦が絡んでいることにも、
気が付きました。

実家の隣家に住む伯母も、
19歳で妊娠をして、

しかし伯母の方は嫁として迎え入れられ、

祖父は伯父と伯母と、
生まれてくる赤ん坊の為に、
土地と家を用意したのです。

その頃私はこの世に誕生していて、
新婚の両親の借りたアパートの一室で、
母にオムツを替えてもらいながら、
母の『怨念』を一心に引き受けていたのです。

『なんであたしは中絶させられたの?
なんで兄ちゃんの連れてきたあの女は赤ん坊を産むの?
なんで兄ちゃんとあの女は、
お父ちゃんから土地と家が貰えたの?』

と呟く母の声が耳に残っているようで、

私はそんな母に同情し、
母の怨念を共に背負ってきたのだと、
全く突然に、気が付いたのです。

しかし、伯父と伯母の間に出来た最初の赤ん坊は死産し、
母は自分の『呪い』が叶ったのだと思ったに違いないと、
私はハッとしました。

以前、母と二人で祖父母の墓参りに行った時、
祖父母の墓前で手を合わせていると突然風が吹き、

隣家の伯母の死産した赤ん坊の墓のあたりから、
ガタガタと卒塔婆の鳴る音がして、

「ほら、あの子が呼んでるんだ、
行ってやらないと」

と、母が酷く怯えたのです。

その従兄弟の墓前で母は手を合わせ、

「水に流してください、
どうか水に流してください」

と謝り続けた母の背中を思い出すと、

『そんな赤ん坊、死ねばいいのに』

と母が怨念を向けたことは、
全く想定できることだと、感じたのです。

伯母が妊娠して嫁に来たのが19歳、
母が最初の中絶をしたのも19歳、

どちらも知っていたことだったのに、
今までなぜ気づかなかったのか、

それは私が、
母の為にと正当化しながらも、

「恨むのを止めたくなかったからだ」

と、

一番大事なことに、
気が付いたのです。


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プロフィール

瑠史

Author:瑠史
十一面観音をお祀りして、自宅でかんのんいんを開いています。

第三子を妊娠中に出家得度して尼となり、OSHO禅タロットを使った個人セッションを受け付けています。過去から未来までを見通し、人生を変えたい方のお手伝いを致します。

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