真言宗のお寺で出家得度して尼となり、修行を続けながらの自分自身の心の成長を綴っています。

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水子供養


母の水子の供養の前日に、
急な用事が出来て実家へ出掛けることになりました。

しかし急な用事だったために、
何の準備もなく無防備で出かけた私は、
久しぶりに母の攻撃に合い、それをかわすことのできないまま、

お経も上げずに泣きながら帰ってくることになってしまいました。


翌日に気を取り直して、

母の編んだ帽子と靴下、
妹と一緒に用意をしたお花と果物、
それから水子さんのために書いた写経二枚を持参すると、

娘と次男との三人で、お寺へと出かけていきました。


「では戒名をお付けいたしますので」

と言って奥の部屋へと一度引きこもった師匠は、
数分経つと、戒名を書いた紙を持って現れ、

「お母さん・・・お父さんのことを怒ってるんですか?
お父さんに対しての怒りの声が、随分と聞こえてきたんですけれど」

と言いました。


前日に実家で、

「私はあの人のことは信じられない、
あんな人と一緒になってろくなこと何ひとつなかった、
そもそもあのお爺さん(父方の祖父)は朝鮮人だったのよ。
私は騙されたの。すっかり騙されて一緒になったのよ」

と、父の悪口、父の親族全員の悪口を聞かされていた私は、

「そうだと思います」

と答えました。


何の根拠も証拠もなく、
「北海道の親戚で日本人と結婚したのはあの人(父)だけだったの。
あとは全員、嫁さんたちも全員、朝鮮人だったのよ」
と言われた私は、

母の言うことを真に受けないようにしながらもだんだん腹を立ててしまい、

「伯父さんも伯母さんも従弟たちも全員日本人だよ、
あれだけ人数が居て、そんな大事なことを隠し通せるわけないじゃない」

と母に言い返してしまったのです。


味方をしてもらえるどころか、
私が父の肩を持ったのだと思った母の怒りはヒートアップし、

「誰も口を割らないだけ、
あんたはお父さんを好きかもしれないけど私はあんな男、気持ち悪いだけなの!」

と怒り出し、

「お父さんがコンドームに穴を開けるなんていうくだらないことをやったから、
私はおまえを妊娠したんだ、
ひどい目に合ったもんだ、
中絶して間もなかったのにまたすぐにおまえを妊娠させられたんだ」

と私を詰りました。

聞きたくなかった気持ちの悪い話を聞かされて、

それはもう、只々げんなりとしてしまった私は、
言葉もなく、泣きながら帰ってきたのでした。


まさかそこまでの詳細は話せなかったものの、
私の目を見ただけで、
おおよその母との会話を察した師匠は、

「途中からはお母さんが喋っていたのではなさそうですね?」

と言いました。

「魔物に憑りつかれてからへこまされたんでしょ」

と娘が口を挟みました。

「バアバとお母さんが一緒にお経をあげた日は、
そこまでひどいこと言われないじゃない。
お経読めばよかったのかもね」

と娘に言われ、

「それから、お母さんは論理的に答えを出してほしかったのではなく、
ただ話を聞いてもらいたかったのではないですか。
だから相手の話が納得できなくても、
『そう、騙されたのね』と相手の言うことをおうむ返しに聞いていれば、
だいたい二時間ほど勝手に喋って、
だんだん気が済んで自己完結したりするものなんです。
まあお母さんの場合は二時間で済むかどうか、
ちょっとわからないのですが」

と、師匠は私にアドバイスをしてくれました。


そして、

「お母さんがお父さんに対して、
かなりの怒りの気持ちを向けているようなので、
お父さんの名前を使うのはやめました」

と言って、
水子さんにつけた戒名を見せてくれました。

私の生まれる一年前に亡くなった赤ちゃんには、
弥勒菩薩の『弥』という字が使われていて、

「こちらの水子さんは、
これから46億5千万年かけて、
お母さんを導いていくと思います」

と言いました。

それから、私が9歳の時に亡くなった赤ちゃんの方には、
母の名前から一文字と、そして『蓮』という文字が使われていました。

「そんなにお父さんが悪いという訳でもなさそうなんですが。
お母さんはずっと、お父さんのせいでこうなったと、
思っているみたいですね」

と師匠は言うと、

「でもそこに瑠史さんが介入して解決させようと思っても、
ただ巻き込まれて大変なだけみたいですから、
その話題になったら全然違う話に切り替えるとか、
朝鮮ではなくて別の、お母さんの知らないような国の名前を出してみるとか、
もっと大変な悩み事を逆に相談してみるとかして、
うまく切り抜けた方がよさそうですね。」

と言い、

それから水子供養の法要が始まったのです。


師匠の唱える『賽の河原の地蔵和讃』はとても心地よく、
私は母の代わりに、母の気持ちになって、

その読経を聴いたのです。




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プロフィール

瑠史

Author:瑠史
十一面観音をお祀りして、自宅でかんのんいんを開いています。

第三子を妊娠中に出家得度して尼となり、OSHO禅タロットを使った個人セッションを受け付けています。過去から未来までを見通し、人生を変えたい方のお手伝いを致します。

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