真言宗のお寺で出家得度して尼となり、修行を続けながらの自分自身の心の成長を綴っています。

かんのんいんブログ

意地



妹と娘が宮古島での五日間の旅を終えて帰ってくると娘は、
「私は旅行に出るたびに、自分が家がどんなに好きだかがわかる」
と言い、

真っ黒に日焼けした体を横たえて、
自分の布団で休み続けました。


反対に妹は、

「宮古島に移住したい、
旅行に出てこんな気持ちになったのは初めて」

だと言いました。

妹がオーナーさんから受けている洋裁の仕事の、
生地を自然染めしている人と宮古島で会い、

「この人が染めた布を裁断してミシンにかけていたんだって、
お互いに先に作品を知ってからの出会いだったの。
初めて会ったのに、それで懐かしい感じがして」

と妹は言い、移住せずとも、
年に何度か宮古島に旅行できたら、
と言いました。


それを聞いた母が、

「まりこは宮古島に移住する、
おまえは旦那の仕事で名古屋に住むことになる。
おまえたち姉妹には、
父親のジプシーの血が流れてる。
これは私の予感。予感は的中する」

というメールを、
深夜に私に送り付けてきました。


母から時々、
何の前触れもなしに送られてくるこうした深夜のメールに、
常に怒りを覚えるだけの私は、

「気持ち悪いし意味が分からないし、
お父さんがジプシーとか聞いたことないし、
どうして私が名古屋に行かなきゃならないの?
どうして私に何の断りもなく、私の人生を決めつけてくるの。
しかもこんな深夜に、
私が寝ているかもしれないのに一方的に。」

と腹立たしく思い、
怒りで完全に目が覚めてしまいました。

しかしいい加減、
このパターンが繰り返し起こっていることにも気が付いているのです。

そこで私は母からのメールに憤慨するだけでなく、
母に本当に言いたいことを伝えるために、
母の気持ちに寄り添ってみることにしました。


まず母は今日、妹が宮古島に移住したいといったのを聞いて、
不安になったのだと思いました。

父は北海道に家を建ててしまったし、
その上私までがどこか遠くに行ってしまったらどうしよう、
と不安になった母の気持ちを想像してみました。

「行かないでほしい」と言うのは癪だし、
「私の予感が的中した」と、
自分の霊感ではわかっていたことだと先に自分を納得させることで、

自分にかかるショックを和らげて逃がしているのだ、

と、母の気持ちに寄り添ってみたのです。


それから、怒っているのは今の自分ではなく、
『出ていけ』と母に言われ続けた、
過去の自分なのだと、
逃げずに自分の心を直視しました。


私は母に怒りをぶつけて、
全てを母のせいにするのはやめて、

『まりちゃんに、宮古島に行かないでと素直に言ったらどうかしら。
寂しいから行かないでって、お父さんにもまりちゃんにも、
自分の気持ちを素直に伝えることが、
お母さんの宿題だと思います。
家族を全員追い出さないで!』

と返信しました。


すると少し時間を空けてから、

『寂しい、誰にもどこにも行かないでほしい』

という短いメールが、
泣き顔付きで母から送られてきて、

私は初めて、
母と心の繋がったように感じました。


それからまた、

『本当はお父さんにも家にいてほしい。
まりこにも宮古島に行かないでほしい』

というメールが続けて送られてきました。

そのメールを読み、
私が腹を立てていたのは、

母から一方的に送られてくる深夜のメールに対してではなく、
意地を張り、
強がり続ける母の姿勢に対してだったのだと、気が付きました。

そして、
その部分が私と母の、
共通の『心の癖』なのです。


私が母に長年腹を立てていたのは、

「ずっとそばにいてほしい」
と言ってもらいたかったのに、

家出をした後にも、

「帰って来てほしい」
とは決して言ってもらえなかったこと、

「早く出ていけ」
と言われ続けたことに対してだったのです。


そして何より、

「本当はお母さんのそばにいたかった。
家出なんてしたことを後悔している」

という本心を、
意地を張り母に言えないまま、
今日まで過ごしてきた自分に対してだったのです。


素直になった母に対して私も優しい気持ちになり、

『私はどこにも行かないから、
安心してもう眠ってね』

と返信しました。

『私はどこにも行かない、
お母さんのそばにいるよ』

と、家出をしてから二十年以上経ち、
やっと素直に言えるようになり、
心がとても楽になりました。


すると、

『よかった。なみちゃんどこにも行かないでね』

と、母からも返事がきたのです。


私は二十歳で家出をした、
その日の自分をイメージして、

そのメールを送ってあげることにしました。

「本当はお母さんにこう言ってもらいたかったんだよね、
出て行けと言われて悲しかったね。
やっと言ってもらえたよ」

と、その日の自分に寄り添うと、


過去の自分と今の自分、
それから私の中の『母』が同時に癒されて、

気持ちのよい涙が流れたのです。




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プロフィール

瑠史

Author:瑠史
十一面観音をお祀りして、自宅でかんのんいんを開いています。

第三子を妊娠中に出家得度して尼となり、OSHO禅タロットを使った個人セッションを受け付けています。過去から未来までを見通し、人生を変えたい方のお手伝いを致します。

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