魔物
子供のころから、
『足が悪い』というハンデを負っていた私は、
「私が面倒見てあげる」
というエネルギーで満々の女子たちに、
囲まれ庇護されながら、日々を過ごしてきました。
四月がやってきてクラス替えのある度に、
新しいクラスメイトからの「その傷どうしたの?」という質問に始まり、
私に同情を示す数名の女子生徒の、
「私が一緒にいてあげる」という相手側の意志だけで、
その年の『友達』は決定したのです。
体育や水泳の時間になると男子生徒にからかわれたり、
時にはひどい言葉を浴びせられる私を、
「そういうことを言ってはいけないんだよ!」
と庇うその『友達』は、
苛められている私を見て、
喜んでいるようにも見えたのです。
『庇う』という方法で私を差別するその『友達』を、
本当の友達とは思わないことだけが、
たったひとつの私のプライドでした。
しかし、
年が変わるたびに、
中学生になっても高校生になっても、
ついには大人になっても現れ続けたその『友達』が、
妹の化身だったことに、
ついに気が付いてしまったのです。
唯一、私のことを差別せず、
私に気を遣う妹が、
あの家で余計に私を孤独に陥れていたのだと、
私は妹に抱き続けてきた嫉妬と劣等感を、
直視しました。
嫉妬と劣等感、
それが私の心に住み着く『魔物』の正体でした。
嫉妬と劣等感が増せば増すほど、
私の孤独は癒されず、
孤独になればなるほど、
嫉妬と劣等感にまみれていく自分を、
私は決して受け入れることができず、
愛することもできなかったのです。
妹と私は、
私たちのそういった『関係』をやめるために、
お互いの心の中の魔物を見せ合いました。
すると滞っていたえエネルギーが動き出し、
妹の人生が変わり始めたのです。
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プロフィール
Author:瑠史
自宅に、聖観音、十一面観音をお祀りして、かんのんいんを開いています。
第三子を妊娠中に出家得度して尼となり、OSHO禅タロットを使った個人セッションを受け付けています。過去から未来までを見通し、人生を変えたい方のお手伝いを致します。
ココナラさんでメール相談開設しています。
(「瑠史 人生相談」でご検索ください)
https://coconala.com/
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