真言宗のお寺で出家得度して尼となり、修行を続けながらの自分自身の心の成長を綴っています。

かんのんいんブログ

教訓


母の吐血の原因は、
運悪く太い血管の上にできた胃潰瘍が、
血管を突き破った為、というものでした。

それを聞いた私は、
人間の細胞のひとつひとつが、
その人に必要な『病気』までもを引き起こすために、
その人の心と常に共鳴して働いているのだと感じました。

「病院に来るまでの間の車の中でね、
お父さんに『ありがとう』って言ったのよ。
私、もう死ぬのかなっていう気がして、
『たくさんいろんなところに連れて行ってくれて、
お父さんと一緒にいて楽しかったよ、ありがとう』って言ったんだ。
お父さん喜んでた」

などと話しながら病院のベッドに横たわっている母の白い顔は、
出血の為だけでなく、
悪いものが体から抜けて、
一層白くなっているように見えたのです。

私が物心ついた頃から両親はいがみ合い、
毎日のように喧嘩を繰り返して憎み合っていましたが、
それはやはり両親それぞれが心の中に抱えた、
消化できない『闇』をぶつけ合っていたに過ぎなかったのだと思いました。

本当の問題はその関係の中にあるのではなく、
父と母それぞれの、心の中にあったのです。

そして、その『未解決の問題』による闇が消え去ったとき、
真我の部分では両親は愛し合っているのだと確信しました。

それは両親だけに限らず、
人間はみんな、そうなのだと思ったのです。


「そうそう、あんた、
昨夜まぁちゃんが来たわよ」

続けて母は、力のない声で言いました。
まあちゃんというのはうちの長男で、
進学の為、昨年の春から他県で一人暮らしを始めているのです。

母にそう言われて、
私はその日の明け方に見た夢の内容を思い出しました。

夢の中で目を覚ますと、
枕元に、突然息子が座っていたので、
『あれ?帰ってきたの?』
と私が驚くと、
『バァバが入院したと聞いたから帰ってきた』
と息子が言ったので、
『急に帰ってきて、びっくりしたよ!』
と喜んだところで私は本当に目を覚まし、
部屋の中は静まり返っていて、
そこには息子の影も形もなかったのでした。

「昨夜、そこにまぁちゃんが立ってたの。
だから『来てくれたの?』と聞いたら、
消えちゃったのよ」

と母が言ったので、

「うちにも来た」と私は答えました。


実際は、一ヶ月ほど前に息子の学校の担任から連絡があり、
息子に留年が確定したということ、
11月の半ば頃から息子が捕まらず、
住んでいる寮にまで探しに行っているのに見つからないので、
ご両親の元に帰っているのではないかと思い電話したのだと、
知らせを受けていたのです。

それから私や夫や娘がそれぞれ、
どんなに息子に連絡を取ってみても、
息子には電話が繋がらず、
私も夫も娘もみんな、不安を抱えながら生活を続けていたのです。


母の入院の三日目には、
夫が母の見舞いに出掛けることになりました。
夫と母が再会するのは四年ぶりのことでした。

もう一度二人を会わせるためのきっかけが見つからず、
正月の来るたびに嫌な思いを繰り返していた私は、
母の病気が広範囲に渡り、
人間関係の修繕の役割を果たしているのだと思いました。

「人間なんていつかみんな死んじゃうの。
でも私は今回生き延びた。
一回終わった命だから、これらは好きなことして生きていきたいし、
やっぱり人はみんな、助け合って生きていかなければと思ったの」

と母は笑いながら夫に話し、
夫は帰り道に、

「義母さん、随分小ちゃくなっちゃったな?
ふたまわりくらい縮んだみたいにみえたけど?」

と感想を述べていましたが、
血を吐いた後に突然小さくなったのだと、
私は答えたのです。


母は五日間の入院生活を終えて退院し、
そのまた五日後に、突然息子が帰ってきました。

突然ドアを開けて「ただいま」と帰ってきた息子に対し、

「なに、びっくりした、急に帰ってくるなんて」

と、夢の中で驚いたのと同じリアクションを息子に返しながら、
「え?帰ってきたの?」
と部屋の奥から出てきた娘と、
「にぃにぃ?」と、少しはにかみながら出迎えた二歳の次男とで、
家族の再会を喜び合い、賑やかな年末を過ごしました。

そして、一度死を意識した母が、
生きるために必要なことは、
『好きなことをして生きることと、
みんなで助け合って生きていくこと』なのだという結論を出したこと、

憎しみの対象としか思っていなかった父に対して、
いざとなったら感謝の言葉しか出てこなかったと教えてくれたことを、

教訓として生きていきたいと思ったのです。



スポンサーサイト
  1. 未分類
  2. / trackback:0
  3. / comment:0
  4. [ edit ]

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY

プロフィール

瑠史

Author:瑠史
十一面観音をお祀りして、自宅でかんのんいんを開いています。

第三子を妊娠中に出家得度して尼となり、OSHO禅タロットを使った個人セッションを受け付けています。過去から未来までを見通し、人生を変えたい方のお手伝いを致します。

個人セッションのお申し込みはコチラまでメールにてお願いいたします。
facebookはコチラ

☆サイト『ココナラ』さんでもメール相談を受け付けています☆

最新トラックバック

カテゴリ

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

かんのんいんカウンター

« 2017 01  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR



.